はっぱふみふみの意味と由来は?大橋巨泉のCM誕生秘話と今も残る理由を徹底解説
「はっぱふみふみ」という言葉を聞いて、昭和のテレビCMや大橋巨泉の独特な語り口を思い出す人は少なくないでしょう。1969年、パイロット万年筆の「エリートS」のテレビCMから広まったこのフレーズは、意味が分かるようで分からない不思議な言葉でありながら、当時の若者を中心に大きな話題を呼びました。
なぜ、万年筆の広告に意味のつかみにくい言葉が使われたのでしょうか。その誕生には、大橋巨泉のアドリブ、俳句のリズム、ジャズの即興性、そして商品の特徴を伝える広告表現の工夫が関係しています。2026年には、後継モデル「エリート95S」の新色も登場。半世紀以上前のCMが、現在も広告史の中で語り継がれる理由を、パイロットの公式資料や放送ライブラリー、広告専門誌の記録をもとに解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 意味:「はっぱふみふみ」は辞書的な意味を伝える言葉ではなく、リズムと響きで印象を残すナンセンスなフレーズ。
- 由来:1969年のパイロット万年筆「エリートS」のCMで大橋巨泉が披露し、流行語として広まった。
- 誕生の背景:大橋のアドリブだったと伝えられ、俳句の韻律とジャズの即興的なリズムが着想の源になった。
- 現在とのつながり:CM作品は広告史に残る評価を受け、2026年にも後継モデル「エリート95S」が新色を展開している。
【意味と由来】「はっぱふみふみ」は何を意味する言葉なのか
「はっぱふみふみ」の本当の意味を知ろうとすると、最初に押さえておきたいのは、一般的な日本語の慣用句や専門用語として生まれた表現ではないという点です。
この言葉が知られるきっかけになったのは、パイロット万年筆の「エリートS」のCMでした。大橋巨泉が万年筆を手にしながら、意味を簡単には読み取れない言葉を独特の調子で口にする。その中でも、とりわけ耳に残ったのが「はっぱふみふみ」というフレーズです。
CMで使われた代表的な一節は、次のとおりです。
「みじかびの、きゃぷりきとれば、すぎちょびれ、すぎかきすらの、はっぱふみふみ。わかるね?」
ここで重要なのは、言葉を一語ずつ辞書的に解釈することよりも、音の連なりと語り口に注目することです。聞き手がすぐに意味を理解できないからこそ、何を言っているのか気になり、フレーズそのものが記憶に残ります。
では、商品との関係はどこにあったのでしょうか。パイロットの創業100周年記念サイトによると、「エリートS」は携帯性に優れたショートタイプの万年筆で、大型の18金ペン先などを特徴としていました。CMには、短く持ち運びやすい万年筆という商品イメージと、短くリズミカルな言葉遊びを結び付ける狙いがありました。
つまり、「はっぱふみふみ」は、言葉そのものに隠された正解があるというより、商品を見た人に強烈な印象を残すための広告表現だったのです。

【1968〜1969年の年表】エリートSとCMはどう広まったのか
「はっぱふみふみ」の誕生を理解するには、CMが放送された1969年だけでなく、その前年に登場した商品にも目を向ける必要があります。パイロットの公式製品史と、放送ライブラリーの作品情報を整理すると、商品開発と広告の関係が見えてきます。
| 時期 | 出来事 | 意味・注目点 |
|---|---|---|
| 1968年(昭和43年) | 万年筆「エリートS」発売 | 携帯しやすいショートタイプ。大型18金ペン先などを備えた製品。 |
| 1969年(昭和44年) | 大橋巨泉出演のテレビCMを放送 | 「はっぱふみふみ」のフレーズが話題となり、若者を中心に広まる。 |
| 1970年(昭和45年) | 大阪万博開催 | 万博を記念したタイムカプセルに「エリートS」が収納された。 |
| 1984年度 | ACCのCM殿堂入り | 「ハッパふみふみ(みじかびの)」が第2回CM殿堂入り作品に選ばれた。 |
| 2026年10月 | 「エリート95S」の新色展開 | ほおずき、ふじ、さくら、数量限定色の藍が登場する商品展開へ。 |
この年表から分かるのは、商品の発売とCMの話題化が連続していたことです。パイロットの公式資料は、「エリートS」が1968年に発売され、翌年の大橋巨泉出演CMと相まってヒットしたと説明しています。
また、放送ライブラリーの作品情報には、CMの制作年が1969年、出演者が大橋巨泉、広告会社が電通、制作会社が日本天然色映画と記録されています。企画担当者には大橋自身の名前もあります。
一方、「1969年の流行語」という表現については、当時広く知られたフレーズになったという意味で捉えるのが適切です。特定の公的な流行語ランキングで何位だったのかという話と、社会に浸透した広告コピーだったという話は区別する必要があります。
【誕生秘話】大橋巨泉のアドリブから生まれたのは本当か
「はっぱふみふみ」の誕生秘話で欠かせないのが、大橋巨泉のアドリブです。広告専門誌『ブレーン』のCM回顧記事では、同CMの不思議なセリフは大橋のアドリブだったと紹介されています。
さらに、大橋の著書『巨泉 人生の選択』をもとにした紹介記事では、当初用意されていた台本に本人が異議を唱え、別の表現を即興で演じたという経緯が伝えられています。用意された広告文句をそのまま読むのではなく、出演者自身の感覚を生かした表現が採用されたというエピソードです。
ただし、アドリブの具体的な成立過程には、本人の回顧に基づく説明と、企業が公開する公式製品史とで記述の範囲に違いがあります。パイロットの公式資料はCMが話題になり、商品がヒットしたことを確認できる一方、収録現場での細かなやり取りを網羅しているわけではありません。
大橋自身の説明として紹介されているのが、俳句の韻律とジャズのアドリブ・リズムの結び付きです。大橋はジャズ評論家やテレビ構成作家として活動した後、テレビタレントとして活躍しました。講談社の著者紹介でも、『11PM』をはじめ、『クイズダービー』『世界まるごとHOWマッチ』など数多くの番組を手掛けた人物として記録されています。
こうした背景を踏まえると、「はっぱふみふみ」は単なる思い付きの奇妙な言葉というより、音のリズムを操る感覚から生まれた表現と理解できます。意味を正確に伝えることより、耳に残る響きと間合いを優先した点が、広告としての個性につながりました。
なお、CMのセリフには複数のテイクがあったと紹介されています。そのため、インターネット上で「CM全文」として掲載されている台詞を比較する際には、異なるバージョンが混在していないか確認することも大切です。
【商品との関係】パイロット万年筆「エリートS」は何が画期的だったのか
CMの面白さばかりが語られがちですが、広告の中心にあったのは万年筆という実用品です。「エリートS」の特徴を知ると、なぜこの商品に短く不思議なフレーズが組み合わされたのかが見えてきます。
パイロットの公式製品史によると、「エリートS」は1968年に発売されたショートタイプの万年筆です。アルミ製キャップ、大型18金ペン先、カートリッジ式のインキ供給方式を備え、持ち運びやすさと筆記具としての性能を両立していました。
当時の万年筆は、学生やビジネスパーソンにとって文字を書くための重要な道具でした。胸ポケットに収まりやすい設計は、携帯性という明確な利点を持っています。商品が持つ実用的な価値を、説明文だけで伝えるのではなく、印象的な音と語り口で記憶させたのがCMの特徴です。
また、パイロットの公式資料によれば、「エリートS」は1970年に大阪で開催された日本万国博覧会を記念したタイムカプセルにも収納されました。広告で注目された商品が、当時の日本の技術や生活文化を伝える品の一つとして記録された点も興味深いところです。
その系譜は、現在の「エリート95S」にも受け継がれています。パイロットの2026年9月9日付の新製品発表では、同モデルに「ほおずき」「ふじ」「さくら」の3色と、数量限定色「藍」を追加すると案内されました。新色の希望小売価格は税込3万3000円で、14金ペン先を採用しています。
「エリート95S」は、1968年の「エリートS」の設計思想をそのまま復刻した製品というより、1974年に登場した2代目の設計をベースに、初代から続く携帯性やデザインの系譜を受け継ぐモデルです。半世紀以上を経ても商品名と設計思想が継承されていることは、CMの記憶と製品ブランドの歴史がつながっていることを示しています。
【なぜ流行した?】「はっぱふみふみ」が人々の記憶に残った3つの理由
意味が分かりにくい言葉が、なぜ多くの人に覚えられたのでしょうか。広告表現と当時のテレビ文化を考えると、少なくとも3つの理由が見えてきます。
1つ目は、音のリズムが強かったことです。「みじかび」「きゃぷりき」「すぎちょびれ」といった言葉は、通常の会話で頻繁に使われる表現ではありません。それでも、短い音のまとまりが連続し、最後に「はっぱふみふみ」という特徴的なフレーズへ着地するため、聞いた人がまねしやすい構造になっています。
2つ目は、大橋巨泉の語り口が言葉に説得力を与えたことです。意味が分からない言葉でも、話し手が自信たっぷりに語れば、聞き手は思わず耳を傾けます。大橋の独特な間合いや表情、語尾の処理が、単なる造語を一つのパフォーマンスへと変えました。
3つ目は、テレビという媒体との相性です。広告専門誌『ブレーン』の回顧記事では、このCMがテレビならではのコミュニケーションを考えるうえで象徴的な作品として取り上げられています。文字で読む広告なら、意味の通らない文章は理解を妨げる可能性があります。しかしテレビでは、声、表情、テンポ、映像が一体となってメッセージを伝えます。
この違いは重要です。「はっぱふみふみ」は、文章として読むと意味がつかみにくい一方、声に出すとリズムが際立ちます。テレビの視聴者は、言葉の意味だけでなく、誰がどのように話すかを含めて広告を受け取っていたのです。
また、商品名や機能を何度も説明する代わりに、耳に残る言葉を通じてブランドを記憶させる方法も功を奏しました。フレーズを覚えた人が商品名を思い出し、商品名からCMを連想する。この相互の結び付きが、広告の認知を広げる仕組みとして働いたと考えられます。
流行した理由を「意味不明だから面白かった」の一言で片付けると、CMの設計が見えなくなります。実際には、意味の分かりにくさだけでなく、音の心地よさ、出演者の表現力、商品の特徴、テレビの伝達力が組み合わさっていたのです。

【現在も語り継がれる理由】CMの評価と誤解されやすいポイント
「はっぱふみふみ」が今も語られる背景には、当時の流行語としての記憶だけでなく、広告作品としての評価があります。一般社団法人ACCのCM作品アーカイブには、1969年制作のパイロットエリートS「ハッパふみふみ(みじかびの)」が記録されています。同作は1984年度の第2回CM殿堂入り作品に選ばれました。
放送ライブラリーの作品情報にも、制作年、出演者、制作スタッフ、受賞歴が残されています。テレビCMは放送期間が終わると視聴機会が限られやすいものですが、こうした記録が作品を広告史の一部として後世に伝えています。
一方、フレーズの解釈には注意も必要です。まず、「はっぱふみふみ」に隠された特定の暗号や、すべての単語に対応する辞書的な意味があると考える必要はありません。大橋の言葉遊びの魅力は、意味を一つに固定しないところにもあります。
また、CMのセリフを「全文」として紹介する資料の中には、異なるテイクや記憶に基づく表記が含まれることがあります。細かな文字起こしを比較する場合には、放送ライブラリーなどの作品記録と、広告専門誌による解説、回顧記事を区別して読むと理解しやすくなります。
そして、2026年現在の視点から見ると、もう一つ注目したいのが商品と広告の寿命の違いです。CMそのものは1969年の作品ですが、「エリートS」の設計思想は後継モデルへ受け継がれています。新しい色や現代の使い方に合わせた商品展開が続くことで、過去の広告が単なる懐古の対象ではなく、現行ブランドの歴史として参照されるのです。
昭和のCMが現在も話題になるかどうかを見極める際には、単に懐かしいという評価だけでなく、公式アーカイブに記録されているか、広告賞などで評価されているか、商品やブランドに継承関係があるかという3つの視点が役立ちます。「はっぱふみふみ」は、この条件を複数満たしている事例です。
【はっぱふみふみ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「はっぱふみふみ」の本当の意味は何ですか?
A1:一般的な慣用句のように、決まった意味を持つ表現ではありません。大橋巨泉がパイロット万年筆「エリートS」のCMで披露した言葉遊びで、リズムや響き、商品の印象を結び付ける役割を果たしました。
Q2:「はっぱふみふみ」は大橋巨泉のアドリブだったのでしょうか?
A2:広告専門誌『ブレーン』の回顧記事や、大橋の著書をもとにした紹介では、本人のアドリブだったと伝えられています。俳句の韻律とジャズの即興的なリズムが発想の背景にあったとされています。
Q3:CMで使われた万年筆は、現在も購入できますか?
A3:1968年発売の「エリートS」と同一の初代製品が現在も通常販売されているという意味ではありませんが、系譜を受け継ぐ「エリート95S」が販売されています。パイロットは2026年10月に同モデルの新色を展開することを発表しており、最新の在庫や取扱店は公式製品情報で確認できます。
まとめ:【プロの結論】「はっぱふみふみ」は言葉と商品の記憶を結び付けた広告の傑作
「はっぱふみふみ」は、1969年に放送されたパイロット万年筆「エリートS」のCMから広まった、大橋巨泉の個性が際立つフレーズです。その本質は、特定の意味を解読することではなく、音のリズム、話し手の存在感、商品の特徴を一体化させた広告表現にあります。
誕生の経緯については、大橋のアドリブだったという回顧が伝えられています。俳句の韻律とジャズの即興性を背景にした言葉遊びは、テレビの音声と映像を通じて強い印象を残し、当時の流行語として広がりました。さらに、ACCのCM殿堂入りや放送ライブラリーへの記録が、その文化的・広告史的な評価を支えています。
2026年には、後継モデル「エリート95S」の新色展開も発表されました。CMの言葉だけでなく、その言葉が宣伝した商品の系譜まで現在につながっていることは、この事例の大きな特徴です。
広告を評価するとき、伝えた情報の量だけを基準にする必要はありません。商品を思い出させる音、出演者の表現、媒体の特性、そして長く残るブランドの記憶。その組み合わせが優れた広告を生み出します。「はっぱふみふみ」は、言葉の意味を超えて人々の記憶に残ることが、広告にとってどれほど大きな価値を持つかを示した作品なのです。 (出典: は っ ぱふみふみ(Yahoo!ニュース))