日本の行方不明者は年間何人?2025年8万486人の実態と早期発見策を徹底解説
日本では、年間何人の行方不明者が届け出られているのか。警察庁が2026年6月25日に公表した最新の年間統計によると、2025年の行方不明者届の受理数は8万486人だった。前年の8万2,563人から2,077人減少したものの、依然として年間8万人を超える水準が続いている。
注目すべきなのは、10代・20代が全体のおよそ4割を占める一方、認知症による行方不明者も1万7,345人に上っていることだ。警察庁の統計からは、若年層の家庭・学校・仕事に関係する事情、高齢者の見守り、そしてGPS機器などを活用した早期発見の効果が見えてくる。2025年の最新データを基に、前年との比較、発見までの期間、警察への届出方法まで整理する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 年間の行方不明者数:2025年は8万486人で、前年より2,077人減少した。
- 年齢・原因の特徴:10代と20代で約4割を占め、認知症による行方不明者は1万7,345人だった。
- 早期発見の手がかり:認知症の行方不明者では、GPS機器などを活用して発見された人の約85%が届出受理当日に所在確認されている。
【2026年最新】日本の行方不明者は年間8万486人、前年から減少
警察庁生活安全局人身安全・少年課が公表した「令和7年における行方不明者届受理等の状況」によると、2025年の行方不明者数は8万486人だった。2024年の8万2,563人と比べて2,077人減少し、2023年の9万144人からは9,658人減っている。3年連続で減少したわけではなく、2024年に大きく減った後、2025年も減少が続いたというのが正確な推移だ。
男女別では、男性が5万918人、女性が2万9,568人。男性が全体の63.3%、女性が36.7%を占め、男性の割合が高い傾向が続いている。これらの数字は、警察に行方不明者届が出された人の数を示すものであり、年間を通して所在が分からなかった人の数や、年末時点で未発見の人の数と同じではない。
ここで押さえておきたいのが、警察庁統計における「行方不明者数」の定義だ。行方不明者届が出された人数を延べ人数で集計しているため、年間の受理件数だけから、実際に何人が現在も行方不明なのかを割り出すことはできない。
また、2025年中に所在確認などがなされた行方不明者は8万1,843人だったが、この数字には2025年以前に受理された届出も含まれる。2025年の届出受理数8万486人と単純に差し引きして、未発見者数を計算することはできない。統計を読む際には、届出を受理した年と、所在を確認した年を区別する必要がある。

【年齢別・前年比較】10代と20代で約4割、若年層が多い理由
2025年の年齢層別統計では、10代が1万8,288人で最も多く、20代は1万3,661人だった。両者を合わせると3万1,949人となり、全体の約39.7%を占める。行方不明者という言葉から高齢者の徘徊を想像する人もいるかもしれないが、統計上は若年層の存在も非常に大きい。
警察庁の2025年統計を、前年の総数や年齢層別の人数と比較すると、次のようになる。
| 項目 | 人数 | 前年比・構成比 | 読み解くポイント |
|---|---|---|---|
| 2023年の総数 | 9万144人 | — | 直近3年間で最も多い |
| 2024年の総数 | 8万2,563人 | 7,581人減 | 前年から大きく減少 |
| 2025年の総数 | 8万486人 | 2,077人減 | 2年連続で減少 |
| 2025年・10代 | 1万8,288人 | 全体の約22.7% | 年齢層別で最多 |
| 2025年・20代 | 1万3,661人 | 全体の約17.0% | 10代と合わせて約39.7% |
| 2025年・80歳以上 | 1万3,800人 | 全体の約17.1% | 高齢者の見守りも重要 |
警察庁資料によると、10代と20代の人数は多いものの、年齢層別の人口10万人当たりの行方不明者数でも、10代が172.7人と最も高い。20代は106.8人で、80歳以上の106.9人とほぼ同水準だった。人口規模を考慮しても、10代の行方不明者が目立つことが分かる。
ただし、10代や20代の行方不明者が多いからといって、すべてのケースが事件や犯罪に関係しているわけではない。家庭関係、学業、仕事、交友関係など、背景は一様ではない。統計上の人数だけで個々の事情を推測することはできない。
さらに、年齢別の人数と、人口に対する割合は別の指標だ。高齢者の行方不明問題を考える際には、認知症によるケースの増減や発見までの期間も併せて見る必要がある。
【原因・動機】認知症だけではない、行方不明者の実態と理由
行方不明者の原因・動機について、2025年の警察庁統計では、疾病関係が2万2,753人で最多となった。全体の28.3%に相当する。このうち、認知症またはその疑いによるものは1万7,345人で、全体の21.6%を占める。
疾病関係に続くのは家庭関係の1万2,599人、事業・職業関係の5,340人だ。家庭関係は15.7%、事業・職業関係は6.6%に当たる。学業関係は1,916人、異性関係は1,713人、犯罪関係は621人だった。
一方で、原因・動機が「不詳」とされたケースは2万653人、全体の25.7%に達する。「その他」も1万4,891人に上っており、届出受理時点ですべての背景が明らかになっているわけではない。
ここで注意したいのは、原因・動機の分類が、行方不明者届を受理した時点で届出人から申し出のあった内容に基づくという点だ。これらの数字は、捜査や医学的評価によってすべての事情が確定した後の分類ではない。家庭関係や職業関係に分類されたからといって、その事情だけが行方不明の直接的な原因だったと断定することもできない。
年齢層ごとに見ると、10代以下では家庭関係や学業関係、20代から30代では事業・職業関係、60代以上では認知症が目立つ。年齢によって抱えやすい課題が異なるため、行方不明者対策も一律ではなく、本人の状況に応じた対応が必要になる。
若年層では、家庭や学校、職場など、本人の生活に関わる情報が捜索の手がかりになり得る。一方、高齢者の場合は、普段の移動範囲、立ち寄り先、持病、認知機能の状態などが重要になる。どちらの場合も、本人を責めたり、周囲が憶測で事情を決めつけたりするより、具体的な情報を警察に伝えることが早期発見につながる。

【認知症の行方不明者】1万7,345人、発見までの期間とGPSの効果
2025年に認知症が原因・動機とされた行方不明者は1万7,345人で、前年の1万8,121人から776人減少した。それでも、全体の約5人に1人に相当する人数であり、高い水準が続いている。
年齢別では、80歳以上が1万661人、70代が5,752人だった。この2つの年齢層だけで1万6,413人となり、認知症による行方不明者の大半を占める。認知症の人が自宅から外出した後に帰れなくなるケースでは、本人が自分の居場所や帰宅経路を正確に説明できないこともあり、早い段階での捜索開始が重要になる。
発見までの期間については、届出受理当日の所在確認が最も多い。警察庁によると、2025年中に所在確認された行方不明者は6万7,859人で、そのうち3万3,322人が届出受理当日に所在確認された。さらに、2~3日以内に確認された人は2万180人だった。所在確認された人のうち、約78.8%が当日から3日以内に確認された計算になる。
ただし、この所在確認の数字は、2025年中に確認された人を集計したもので、過去に受理された届出も含んでいる。また、死亡確認や届出の取下げなどは「所在確認」とは別に集計されている。発見までの期間を読む際には、この集計上の違いを踏まえる必要がある。
認知症の行方不明者については、2025年中に所在確認または死亡確認された人が1万6,729人だった。警察庁資料では、そのうち1万5,856人について、届出受理から3日以内の所在確認が示されている。また、受理から15日以降では、所在確認よりも死亡確認の割合が高くなるとされている。時間の経過が生命や身体の安全に関わるため、行方不明に気づいた時点で迅速に警察へ連絡することが大切だ。
GPS機器などの効果も、2025年の統計に表れている。GPS機器や紛失防止タグなどを活用して所在確認・死亡確認に至った認知症行方不明者は139人で、そのうち118人、84.9%が届出受理当日に所在確認された。
警察庁の公表資料には、80代の男性が自宅から行方不明になった事例も掲載されている。家族が持たせていたGPS機器から県外への移動が判明し、捜索の結果、届出受理から約2時間後、自宅から約130キロ離れた駅構内で発見・保護されたという。別の事例では、ケアマネジャーが持たせていたGPS機器の情報を基に、約1時間後に自宅から約6キロ離れた路上で発見された。
これらはGPSがあれば必ず発見できるという意味ではない。電池切れ、通信環境、機器の置き忘れなどの問題は起こり得る。それでも、本人が位置を説明できない状況で、最後に確認された場所や移動方向を把握できることは、捜索範囲を絞る大きな手がかりになる。
【行方不明者届の出し方】警察への相談方法と早期発見の準備
家族や知人の行方が分からなくなった場合、まず重要なのは、警察への連絡を先延ばしにしないことだ。事件や事故の可能性がある場合、子どもや高齢者が行方不明になった場合、本人の生命や身体に危険が及ぶおそれがある場合は、速やかに110番するか、警察署に届け出る。
「24時間たたなければ行方不明者届を出せない」という理解は誤りだ。警視庁も、家族などが行方不明になった場合は、すぐに110番するか、警察署に届け出るよう案内している。
行方不明者届は、原則として行方不明になった人の住所・居所を管轄する警察署に提出する。事情によっては、行方不明になった場所を管轄する警察署や、届出人の住所・居所を管轄する警察署でも届け出ることができる。具体的な届出先が分からない場合は、最寄りの警察署に相談するとよい。
届出の際は、本人を特定し、行方不明になった状況を正確に伝えるための情報を準備しておくと役立つ。
- 本人の基本情報:氏名、生年月日、住所、職業など。
- 身体的特徴:身長、体格、髪型、眼鏡、傷痕など。
- 当日の服装・所持品:上着、靴、かばん、携帯電話、財布など。
- 最後に確認された状況:行方が分からなくなった日時、場所、移動手段、最後に連絡を取った時刻。
- 参考資料:最近撮影した写真、残されたメモや手紙、連絡先、立ち寄る可能性のある場所など。
- 健康・安全に関する情報:認知症や持病の有無、必要な薬、本人が危険にさらされている可能性など。
警察への相談時にすべての情報がそろっていなくても、連絡を遅らせる必要はない。まず分かっている事実を伝え、後から判明した情報を追加することが大切だ。本人の携帯電話の位置情報や交通機関の利用状況など、捜索につながる可能性がある情報も、分かる範囲で整理しておくとよい。
認知症の人がいる家庭では、行方不明になる前から対策を考えておきたい。GPS機器や紛失防止タグの携行、衣服や持ち物への連絡先の記載、自治体の見守りサービスの利用などが選択肢になる。GPS機器の貸与や見守りネットワークを整備している自治体もあるため、地域包括支援センターや自治体の高齢者福祉担当窓口に相談する方法もある。
なお、行方不明者が発見された場合でも、届出をした人が必ずしも詳しい所在や状況を知らされるとは限らない。本人の意思や安全上の事情を踏まえ、通知する内容が制限される場合がある。特に、家庭内暴力やストーカー被害などが関係するケースでは、本人の安全確保と意思の尊重が重要になる。

【プロの結論】統計の数字だけで判断せず、早期の連絡と地域の連携を
2025年の行方不明者統計から読み取れるのは、単に届出数が減少したということだけではない。10代・20代の行方不明者が約4割を占める一方、認知症によるケースも約2割に達している。行方不明の背景は幅広く、年齢や状況に応じて必要な対応も変わる。
もう一つの重要な点は、届出数、所在確認数、現在も未発見の人数を混同しないことだ。年間8万486人という数字は、2025年に行方不明者届が受理された人数を示している。これを、そのまま現在も行方不明の人の数として紹介すると、統計の意味を取り違えることになる。
発見活動では、警察だけでなく、自治体、福祉関係者、地域住民からの情報も手がかりになる。警察庁の2025年資料では、認知症の行方不明者の所在確認などにつながった端緒のうち、民間からの通報が8,114人、47.0%を占めた。自治体の公式情報や防災行政無線を通じて地域住民が気づき、発見につながった事例も報告されている。
行方不明者の早期発見を考える際、GPSなどの機器は有力な手段だが、それだけに依存するのは適切ではない。機器の携行に加えて、日常的な見守り、本人の行動範囲の把握、緊急連絡先の共有、警察や自治体との連携を組み合わせることが現実的な対策となる。
数字を正確に読み、状況に合った手段を選び、行方不明に気づいたら速やかに警察へ連絡する。この3点が、若年層から認知症の高齢者まで、幅広い行方不明事案に共通する基本的な考え方だ。
【日本の行方不明者】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本の行方不明者は2025年に何人いましたか?
A1:警察庁の2025年統計では、行方不明者届の受理数は8万486人でした。2024年の8万2,563人から2,077人減少しています。ただし、これは年間の届出受理数であり、現在も行方不明の人の数を意味するものではありません。
Q2:10代・20代の行方不明者は全体の何割ですか?
A2:2025年は10代が1万8,288人、20代が1万3,661人で、合計3万1,949人でした。全体の約39.7%に相当します。原因・動機はさまざまで、年齢だけで事件性や背景を判断することはできません。
Q3:認知症による行方不明者は何人ですか?
A3:2025年は1万7,345人で、全体の約21.6%を占めました。前年の1万8,121人から776人減少したものの、高い水準が続いています。
Q4:行方不明者は何日くらいで発見されますか?
A4:2025年中に所在確認された行方不明者では、届出受理当日の確認が3万3,322人、2~3日以内の確認が2万180人でした。ただし、この集計には前年以前に受理された届出も含まれます。発見までの期間は個別の状況によって異なります。
Q5:GPSを使えば行方不明者を早く発見できますか?
A5:GPS機器などを活用して所在確認・死亡確認に至った認知症行方不明者139人のうち、118人、84.9%が届出受理当日に所在確認されました。位置情報は捜索範囲を絞る手がかりになりますが、機器の電池切れや携行忘れなどもあり、警察への連絡や地域の見守りと組み合わせることが重要です。
Q6:行方不明者届は何時間待ってから出せばよいですか?
A6:24時間待つ必要はありません。行方不明に気づいたら、速やかに警察署へ届け出てください。事件・事故の可能性がある場合や、子ども、高齢者などの生命・身体に危険が及ぶおそれがある場合は、110番で警察に連絡してください。最近の写真や服装、最後に確認された場所と時刻などを伝えると、捜索の手がかりになります。
まとめ:日本の行方不明者の現状と、早期発見のためにできること
2026年時点で確認できる最新の年間統計では、2025年の日本の行方不明者届受理数は8万486人だった。前年からは減少したものの、10代・20代が約4割を占め、認知症による行方不明者も1万7,345人に上るなど、若年層と高齢者の双方に対応が必要な状況が続いている。
発見までの期間はケースによって異なるが、認知症の行方不明者では早期の所在確認が多く、GPS機器などを活用したケースでも、届出受理当日に発見された割合が高かった。自治体や地域住民からの通報も、発見活動を支える重要な手がかりになっている。
行方不明者の数字を正しく理解するには、年間の届出受理数と、所在確認数、現在の未発見者数を区別することが欠かせない。そして、家族や身近な人の行方が分からなくなったときは、時間が経過するのを待つのではなく、速やかに警察へ相談することが大切だ。日頃の見守りや位置情報機器の活用、地域との連携を組み合わせることが、早期発見と安全確保につながる。 (出典: 日本 の 行方 不明 者(Yahoo!ニュース))