親の介護をしたくないのはわがまま?法律・費用・支援制度を2026年最新解説
「親の介護をしたくない」「親の面倒を見るのがつらい」「親と不仲なのに、なぜ自分が介護しなければならないのか」。こうした気持ちを抱えながら、誰にも相談できずに悩んでいる人は少なくありません。親への感謝や家族としての責任を感じる一方、仕事、子育て、自分の生活、経済的な事情を考えると、介護を引き受ける余裕がないこともあります。
2026年現在、親の介護は家族だけで担うものではなく、介護保険サービスや公的な相談窓口、介護施設、仕事と介護の両立支援制度を組み合わせて対応することができます。内閣府の「令和8年版高齢社会白書」でも、家族介護の実態や介護離職を防ぐための取り組みが取り上げられています。親の介護をしたくないと感じる理由から、法律上の扶養義務、費用、きょうだいとの分担、具体的な相談先まで、今できる選択肢を整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:親の介護をしたくないと感じること自体は、わがままでも、ただちに法律違反になることでもありません。
- 要点2:民法上の扶養義務と、自分が直接介護を担う義務は同じではありません。家族関係や経済状況によっても対応は異なります。
- 要点3:地域包括支援センター、介護保険サービス、施設入所、介護休業などを活用すれば、家族だけで介護を抱え込まない方法を検討できます。
【親の介護をしたくないのはわがまま?】理由と罪悪感の正体
親の介護をしたくないという気持ちの背景には、単なる面倒くささでは片づけられない事情があります。介護に必要な時間や体力だけでなく、親子関係、過去の経験、経済的不安、仕事への影響など、複数の問題が重なっている場合もあります。
親の介護をしたくない主な理由
- 身体的・精神的な負担:食事、排せつ、入浴、通院の付き添いなどが続き、自分の休息時間を確保できない。
- 親との不仲や過去のつらい経験:暴言、過度な干渉、長年の確執などがあり、親の世話をすること自体が大きなストレスになる。
- 仕事やキャリアへの影響:急な呼び出しや通院の付き添いによって勤務を調整できず、昇進や収入、雇用の継続に不安がある。
- 経済的な問題:介護用品、交通費、施設費用などの負担が心配で、自分の生活費や老後資金まで圧迫される可能性がある。
- きょうだい間の不公平:ほかのきょうだいが介護に協力せず、近くに住んでいる人や女性、長子などに負担が集中している。
- 自分の家庭や健康を守りたい:子育て、配偶者との生活、自身の病気や障害などがあり、親の介護まで担うことが難しい。
どの理由であっても、介護を引き受ける余力がないという現実は軽視できません。「親なのだから面倒を見るのが当然」と考えて無理を続けると、心身の不調や家族間の対立につながることがあります。
家族介護の負担は、個人の努力だけで解決できない
内閣府の令和8年版高齢社会白書によると、要介護者等から見た主な介護者のうち、同居している人は45.9%です。また、主な介護者の性別では女性が68.9%、男性が31.1%となっています。これは家族介護の負担が家庭内にとどまりやすく、女性に偏っている実態を示すデータです。なお、これらは白書に掲載された調査結果であり、2026年に新たに実施された調査の数値という意味ではありません。
介護の負担を家族の誰か一人が引き受けると、その人の時間や収入、健康が犠牲になりやすくなります。介護をしたくないと感じる背景には、本人の性格だけでなく、家庭内の役割分担や社会的な支援の不足も関係しています。
親の介護への罪悪感と、どう向き合うべきか
「親に育ててもらったのだから恩返しをするべき」「介護を施設に任せたら親を見捨てることになる」。そう考えると、介護を引き受けられない自分を責めてしまうかもしれません。
しかし、親を大切に思うことと、自分が直接介護をすることは別の問題です。必要なサービスを手配する、費用を可能な範囲で負担する、定期的に連絡する、緊急時の連絡先を整えるなど、関わり方には幅があります。
親との関係が良好でない場合も、無理に和解したり、過去の問題をなかったことにしたりする必要はありません。親の安全を確保することと、自分自身の心身を守ることを両立できる方法を考えることが大切です。

【親の介護を拒否できる?】法律上の扶養義務と介護しない場合のリスク
親の介護をしたくない人が特に気になるのは、「介護を断ったら訴えられるのか」「親を介護施設に任せたら法律違反になるのか」という問題でしょう。ここでは、民法上の扶養義務と、実際に介護を担うことの違いを整理します。
民法877条の扶養義務とは
民法第877条第1項では、直系血族および兄弟姉妹は互いに扶養する義務を負うと定められています。親と子は直系血族に当たるため、親が生活に困窮している場合などには、子に扶養の問題が生じる可能性があります。法務省の公表資料でも、親族間の扶養義務について説明されています。
ただし、扶養義務があることと、子が自宅で親を介護しなければならないことは同じではありません。扶養の具体的な内容や程度は、本人と親の経済状況、生活状況、ほかの扶養義務者の状況などを踏まえて判断されます。
たとえば、親の生活費を援助する問題と、毎日通って入浴や排せつの介助をする問題は区別して考える必要があります。民法877条だけを根拠に、すべての子どもに同居や直接介護が一律に義務づけられていると理解するのは適切ではありません。
親の介護をしないとどうなるのか
親の介護を引き受けないという理由だけで、直ちに刑事罰を受けたり、必ず損害賠償を命じられたりするわけではありません。ただし、扶養をめぐって具体的な争いが生じれば、家庭裁判所で扶養の内容や負担について話し合うことになる場合があります。
また、すでに本人の財産管理や身上保護に関する契約、法的な立場、具体的な引受けなどがある場合は、一般的な親子関係だけでは判断できません。個別の事情によって責任の有無や範囲が異なります。
親が一人暮らしで、食事や服薬、火の始末などが難しくなっているにもかかわらず、必要な支援につながらない状態が続けば、転倒、低栄養、病状の悪化などの危険もあります。これは、子どもが必ず自分で介護をするべきという意味ではありません。自分が直接介護できない場合でも、自治体や専門機関に連絡し、必要な支援につなげる方法があります。
親と不仲で、どうしても関わりたくない場合
親から暴力や暴言を受けていた、過去の家庭環境が原因で接触すると心身に不調が出る、親が威圧的で話し合いが成立しない。こうした事情があるなら、直接介護を避けることも現実的な選択肢です。
地域包括支援センターや自治体の高齢者福祉担当窓口には、親子関係が悪く、家族による介護が難しいことも伝えられます。必要に応じて、介護サービスや福祉制度、権利擁護などの支援につないでもらいましょう。
法律上の扶養義務が気になる場合は、法テラスや弁護士などに個別の事情を相談する方法もあります。経済的な援助をどこまで求められるのか、直接介護を引き受けない場合にどのような対応が必要なのかは、具体的な事実に基づいて確認することが重要です。
【家族だけで抱えない】介護保険サービスと地域包括支援センターの使い方
親の介護をしたくないと感じたとき、まず検討したいのが、公的な介護サービスを利用して家族の負担を減らす方法です。介護をするか、何もしないかという二択で考える必要はありません。
最初の相談先は地域包括支援センター
地域包括支援センターは、高齢者の介護、福祉、健康、権利擁護などに関する総合相談窓口です。市町村が設置し、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員などの専門職が連携して支援します。
厚生労働省によると、2025年4月末時点で、地域包括支援センターは全国に5,487か所あり、支所などを含めると7,374か所です。親の住んでいる地域を担当するセンターは、自治体の公式案内などで確認できます。
相談時には、次のような内容をそのまま伝えて構いません。
- 親の介護を自分だけで引き受けることはできない。
- 親との関係が悪く、直接介護をすることが精神的に難しい。
- 仕事や子育てがあり、通院の付き添いや日常的な見守りができない。
- 親の年金や預貯金が少なく、介護サービスや施設の費用が心配である。
- きょうだいが協力してくれず、誰が何をするのか決まっていない。
相談の段階で、家族がどの程度の介護を担えるかを明確にすることが大切です。「できること」と「できないこと」を伝えれば、実現可能な支援方法を検討しやすくなります。
介護保険サービスを利用するまでの流れ
介護保険のサービスを利用するには、原則として市区町村に要介護認定または要支援認定を申請します。本人や家族が窓口で手続きできるほか、地域包括支援センターなどが申請を代行できる場合もあります。
一般的な手続きは、次のように進みます。厚生労働省の介護サービス利用案内でも、認定申請、認定調査、審査・判定、認定結果に応じたサービス利用という流れが示されています。
- 市区町村への申請:親が住む自治体の介護保険担当窓口や地域包括支援センターに相談する。
- 認定調査:調査員が本人の心身の状態や日常生活の状況を確認する。
- 審査・認定:主治医意見書などを踏まえ、要支援・要介護の区分が決まる。
- ケアプランの作成:要支援の場合は地域包括支援センターなど、要介護の場合は居宅介護支援事業所のケアマネジャーなどに相談する。
- サービスの利用開始:本人の状態や生活環境に応じて、訪問介護、デイサービス、ショートステイなどを組み合わせる。
認定を受ける前でも、相談窓口で今後の手続きや利用可能な支援を確認できます。親が相談を嫌がる場合や、認知症などで手続きが難しい場合も、まずは家族から状況を説明してみましょう。
ケアマネジャーに相談するときのポイント
ケアマネジャーは、本人や家族の希望、生活上の課題を踏まえてケアプランを作成し、介護サービス事業者などとの連絡や調整を行う専門職です。
すでに介護サービスを利用している場合は、担当ケアマネジャーに「家族による介護を減らしたい」「夜間の見守りが難しい」「施設利用も検討したい」と具体的に伝えましょう。まだ担当者がいない場合は、地域包括支援センターに相談すると、次の手順を案内してもらえます。
ただし、ケアマネジャーが家族の希望をすべて実現できるわけではありません。本人の状態、サービスの利用条件、地域の受入れ状況、費用などを踏まえた調整が必要です。希望する支援が難しい場合は、代替案を含めて相談してください。

【在宅介護と施設介護を比較】親の介護にかかる費用と選び方
親の介護を自分で担うのが難しい場合、在宅介護を外部サービスで補う方法と、介護施設への入所を検討する方法があります。どちらが適しているかは、本人の身体状況や認知機能、家族の生活、住まい、経済状況によって異なります。
在宅介護と施設介護の違い
| 比較項目 | 在宅介護 | 施設介護 |
|---|---|---|
| 主なサービス | 訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイなど | 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなど |
| 家族の負担 | サービスを利用しても、見守りや緊急時の対応などが残る場合がある | 日常的な介護を施設職員に任せやすいが、家族の連絡・手続きなどは必要 |
| 費用の考え方 | 介護サービスの自己負担、食費、生活費、住宅環境の整備費など | 介護サービスの自己負担に加え、居住費、食費、日常生活費など |
| 生活環境 | 住み慣れた自宅で生活を続けやすい | 職員の支援を受けやすく、見守りや生活支援を確保しやすい |
| 検討したい人 | 本人が自宅での生活を希望し、必要なサービスを組み合わせられる人 | 常時の介護や見守りが必要で、在宅での生活を維持するのが難しい人 |
| 注意点 | 家族の負担がゼロになるとは限らない | 入所条件、空き状況、費用、医療対応などの確認が必要 |
在宅介護は、必ずしも家族がすべての介護を行うという意味ではありません。訪問介護やデイサービス、短期入所生活介護(ショートステイ)などを組み合わせることで、家族が担う時間を減らせる可能性があります。
一方、施設介護にも複数の種類があります。特別養護老人ホームは、常時介護が必要な人を対象とする施設で、新規入所は原則として要介護3以上です。要介護1・2の人でも、やむを得ない事情がある場合には特例的に入所できることがあります。介護老人保健施設は在宅復帰を目指す支援が中心であり、有料老人ホームは施設ごとにサービス内容や料金が異なります。
親の介護施設入所にかかる費用はどのくらい?
施設費用は、施設の種類、部屋のタイプ、要介護度、所得、地域などによって変わります。介護保険の対象となるサービス費だけでなく、居住費、食費、日常生活費なども確認しなければなりません。
厚生労働省の介護サービス情報公表システムに掲載されている特別養護老人ホームの概算例では、要介護5の人が30日間、多床室を利用した場合、1割負担の施設サービス費約2万6,130円、居住費約2万7,450円、食費約4万3,350円、日常生活費約1万円を合わせ、月額約10万6,930円となっています。同じ条件でユニット型個室を利用した例では、月額約14万3,980円です。
これらは特定の条件に基づく概算であり、すべての施設に当てはまる料金ではありません。有料老人ホームなどでは、入居一時金や月額利用料がさらに大きく異なる場合があります。入所を検討する際は、施設ごとの料金表と重要事項説明書を確認しましょう。
また、所得や資産などの条件を満たす場合には、施設の食費・居住費を軽減する制度や、高額な介護サービス費の負担を抑える仕組みを利用できることがあります。制度の対象となるかどうかは自治体の介護保険担当窓口で確認してください。
施設に預けることは、親を見捨てることなのか
施設入所に罪悪感を持つ人もいますが、家族だけでは安全な生活を維持できない場合、専門職の支援を受けることは合理的な選択です。介護者の心身が限界に達する前に、本人に必要な介護を確保することが重要です。
ただし、施設への入所は本人の希望や生活状況も踏まえて検討します。家族が介護できないという理由だけで、すべての施設に入所できるわけではありません。本人の状態、施設の受入れ条件、費用、医療的な対応の可否を確認し、必要に応じて地域包括支援センターやケアマネジャーと調整しましょう。
【きょうだい間の介護分担と介護離職対策】仕事を辞める前に確認したい制度
親の介護が始まると、通院の付き添い、役所での手続き、施設探し、日常の見守りなど、さまざまな仕事が発生します。きょうだいが複数いても、近くに住んでいる人や時間の融通が利く人に負担が偏るケースがあります。
きょうだい間の介護分担は、作業を具体的に分ける
介護の分担を話し合う際は、「もっと協力してほしい」といった抽象的な要望だけでは、話がまとまりにくいことがあります。必要な作業を細分化し、誰が何を担当するのかを決める方法が現実的です。
- 手続き担当:介護認定の申請、役所への問い合わせ、施設の資料請求。
- 通院担当:病院への付き添い、薬の受け取り、診療情報の共有。
- 連絡担当:ケアマネジャーや施設との連絡、きょうだい間の情報共有。
- 費用担当:親の収入や支出の確認、必要経費の記録、費用負担の相談。
- 緊急時の対応:連絡先や対応手順を整理し、誰がどこまで対応できるか決める。
遠方に住んでいるきょうだいは、電話連絡や書類手続き、費用面の協力を担うこともできます。全員が同じ時間だけ介護をする必要はありません。それぞれの生活や経済状況を踏まえ、実行できる役割を決めることが大切です。
話し合いが難しい場合は、ケアマネジャーなどの専門職に同席や調整を相談する方法もあります。きょうだい間で負担が不公平になっていると感じるときは、介護の作業量だけでなく、移動時間、仕事への影響、費用なども含めて整理すると、問題が見えやすくなります。
2026年に利用できる介護休業・介護休暇
仕事を続けながら親の介護に対応するために、育児・介護休業法に基づく制度を確認しましょう。厚生労働省が案内している制度には、まとまった期間休める介護休業と、通院の付き添いなどに使える介護休暇があります。
- 介護休業:対象家族1人につき、通算93日まで、3回に分けて取得できます。介護体制を整えたり、施設やサービスを探したりする期間として活用できます。
- 介護休暇:対象家族が1人の場合は年5日まで、2人以上の場合は年10日まで取得できます。通院の付き添いや介護サービスの手続きなどにも利用でき、原則として時間単位での取得も可能です。
- 短時間勤務などの措置:勤務時間の短縮、フレックスタイム、時差出勤など、法律に基づく両立支援措置を確認できます。
- 残業や深夜勤務への対応:一定の要件を満たす場合、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限などを利用できることがあります。
介護休業は、対象家族の介護をするための制度ですが、93日間ずっと家族が直接介護をするためだけのものではありません。介護サービスの手配や施設探し、職場復帰後の生活設計など、介護と仕事を両立する体制を整えるために使うことも重要です。
なお、介護休暇は年次有給休暇とは別の制度ですが、休暇中の賃金が有給になるかどうかは会社の規定などによります。利用条件や申請方法は勤務先の就業規則と厚生労働省の案内を確認してください。
2025年の法改正と2026年の仕事と介護の両立支援
2025年4月1日から、改正育児・介護休業法に基づき、介護に直面した労働者に対して、事業主が介護休業や両立支援制度などを個別に周知し、利用意向を確認する措置が義務化されました。制度を利用しやすい職場環境の整備や、介護に直面する前の早い段階での情報提供も求められています。
2026年に仕事と介護の両立を考える場合も、この制度を踏まえて勤務先に相談することが重要です。介護を理由に退職する前に、人事・労務担当者に利用可能な制度を確認し、必要に応じて都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)などに相談しましょう。
内閣府の令和8年版高齢社会白書では、家族の介護や看護を理由とする離職者の数について、2021年10月から2022年9月までの1年間で約10万6,000人というデータが掲載されています。これは調査対象期間の実績であり、2026年の年間離職者数ではありません。介護離職が継続的な課題であることを示す資料として参考になります。
介護のために仕事を辞めると、収入が減るだけでなく、再就職や将来の年金にも影響する可能性があります。退職を決断する前に、介護休業、介護休暇、勤務時間の調整、在宅サービス、施設入所などを組み合わせ、仕事を続けられる選択肢がないか検討してください。

【プロの結論】親の介護をしたくないとき、今日からできること
親の介護をしたくないと感じている人に必要なのは、気持ちを無理に変えることではありません。介護の負担を具体的に把握し、自分ができる範囲とできない範囲を整理して、利用できる制度や支援につなげることです。
まずは、次の3つを整理する
- 親の現在の状態を確認する:食事、排せつ、服薬、通院、金銭管理、火の始末など、どのような支援が必要かを整理する。
- 自分が担える範囲を決める:直接介護、通院の付き添い、手続き、費用負担、連絡対応などについて、できることとできないことを明確にする。
- 公的支援に相談する:親が住む地域の地域包括支援センターや自治体の介護保険担当窓口に連絡し、介護認定やサービス利用、施設入所などの方法を確認する。
親の状態が急に悪化している場合や、食事が取れない、必要な薬を飲めない、転倒を繰り返しているなどの危険がある場合は、通常の手続きを待たずに医療機関や自治体の担当窓口に相談してください。生命に関わる緊急事態では、救急など適切な緊急対応を優先します。
相談先に伝える内容を、事前にまとめておく
相談の場で何を話せばよいか分からない場合は、次の項目をメモしておくと、状況を説明しやすくなります。
- 親の年齢、住んでいる場所、現在の生活状況。
- 病気や認知症の有無、日常生活で困っていること。
- 介護認定を受けているか、利用しているサービスがあるか。
- 家族構成、きょうだいの居住地、協力できる人の有無。
- 自分の仕事や健康上の事情、直接介護を担えない理由。
- 親の年金や収入、施設利用に使える費用の目安。
すべての情報がそろっていなくても相談できます。特に、親と不仲で直接介護が難しい場合は、その事情を率直に伝えて構いません。家族の協力が得られないことも、支援方法を考えるうえで重要な情報です。
【向いている人・注意したい人】選択肢を決める判断基準
在宅介護と外部サービスの組み合わせが向いているのは、本人が自宅での生活を望み、必要なサービスを利用でき、緊急時の対応も含めて生活を維持できる場合です。ただし、家族の負担が大きいままなら、サービスの追加や施設利用も検討する必要があります。
施設入所を優先して検討したいのは、常時の見守りが必要、家族の介護負担が限界に達している、自宅での安全確保が難しい、家族関係の問題から直接介護を継続できない場合などです。入所条件や費用、本人の希望を確認しながら、専門職と相談して進めましょう。
家族の努力だけで解決しようとすることはおすすめできません。介護によって仕事や健康、家庭生活が大きく損なわれているなら、負担を減らす支援を早めに検討してください。介護の継続が難しいことを認めるのは、責任放棄ではなく、無理のない支援体制を作るための出発点です。
【親介護したくない】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:親の介護をしたくないと思うのは、わがままですか?
A1:いいえ。介護の負担、親との関係、仕事、経済状況、自分の健康など、さまざまな事情があります。気持ちを無理に変えるよりも、直接介護ができない理由を整理し、介護保険サービスや相談窓口を活用する方法を検討してください。
Q2:親の介護を拒否すると、法律違反になりますか?
A2:親子には民法877条に基づく扶養義務がありますが、それが直ちに同居や直接介護を一律に義務づけるわけではありません。扶養に関する具体的な問題は、経済状況や家庭事情などによって判断されます。不安がある場合は、法テラスや弁護士などに相談しましょう。
Q3:親と不仲でも、介護サービスを利用できますか?
A3:利用を検討できます。親が住む地域の地域包括支援センターや自治体の窓口に、家族関係の問題や直接介護が難しい事情を伝えてください。要介護認定の申請や、利用可能なサービス、施設入所などについて相談できます。
Q4:親を介護施設に入れる場合、費用は誰が払うのですか?
A4:本人の年金や預貯金などを使えるか確認したうえで、費用負担を検討するのが基本です。子どもが必ず施設費用の全額を負担するという一律のルールがあるわけではありません。ただし、親族間の扶養義務などが問題になる場合もあるため、個別の事情に応じて確認する必要があります。
Q5:親の介護で仕事を辞めたくありません。利用できる制度はありますか?
A5:介護休業、介護休暇、短時間勤務などの措置、所定外労働の制限などを利用できる場合があります。2025年4月からは、介護に直面した労働者への制度の個別周知や利用意向の確認などが事業主に義務づけられています。まずは勤務先の人事・労務担当者に相談しましょう。
Q6:きょうだいが介護に協力してくれない場合、どうすればよいですか?
A6:必要な作業を細分化し、手続き、通院、費用負担、連絡対応などの役割分担を話し合いましょう。話し合いが難しければ、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、家族だけで抱えない支援体制を検討してください。
まとめ:親の介護をしたくない気持ちを責めず、支援につなげよう
親の介護をしたくないという気持ちは、わがままと決めつけるべきものではありません。親子関係が良好であっても、介護には時間、体力、費用、仕事への影響など、簡単には解決できない問題があります。親と不仲であれば、直接介護をすることが精神的な負担になる場合もあります。
法律上の扶養義務と、日常的な介護を自分で担うことは区別して考える必要があります。自宅で介護する方法だけでなく、介護保険サービス、地域包括支援センター、ケアマネジャー、介護施設、介護休業・介護休暇など、家族の負担を減らすための選択肢があります。
2026年現在も、仕事と介護の両立支援制度や介護保険サービスは、家族だけで介護を抱え込まないための重要な仕組みです。まずは親が住む地域の地域包括支援センターに相談し、介護に必要な支援と、自分が担える範囲を整理してみてください。
親の介護をすべて自分で引き受けることだけが、責任ある選択ではありません。親の安全と自分自身の生活を両立できる方法を探すことが、長期的に無理のない介護につながります。 (出典: 親 介護 し たく ない(Yahoo!ニュース))