スイス安楽死制度は合法?刑法115条・日本人の条件・費用と2026年最新動向を徹底解説

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スイス安楽死制度は合法?刑法115条・日本人の条件・費用と2026年最新動向を徹底解説
スイス安楽死制度は合法?刑法115条・日本人の条件・費用と2026年最新動向を徹底解説
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スイスでは、本人の意思に基づく死をめぐり、一定の条件を満たした「自殺ほう助」が認められています。ただし、医師などが本人に代わって死に至らせる「積極的安楽死」とは法的に異なり、スイスで安楽死そのものが全面的に合法化されているわけではありません。制度の中心にあるのは、スイス刑法115条と、本人の判断能力、自発的な意思、第三者の利己的な動機の有無という要件です。

2026年10月現在、スイス連邦統計局の死因統計では、2024年の自殺ほう助による死亡者数は1,774人と集計されています。また、2026年9月にはチューリヒ州で、病院や介護施設に施設内での自殺ほう助を認めることを義務付ける法改正案が住民投票で可決されました。日本人を含む外国人の利用条件、EXITとDignitasの違い、費用の実態、国際比較、そして最新の法制度をめぐる議論まで、事実関係を整理します。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 法的根拠:スイスでは刑法115条が利己的な動機による自殺の教唆・ほう助を処罰しており、一定の条件下で自殺ほう助が処罰対象にならない仕組みです。
  • 日本人の利用条件:外国人の受け入れ実績がある団体は存在しますが、国籍だけで利用が認められるわけではなく、医学的評価や意思決定能力などの審査が必要です。
  • 費用の実態:Dignitasの公表料金では、葬儀などの手続きも含めて通常11,000スイスフランが目安です。渡航費や滞在費は別途かかります。
  • 最新統計:2024年のスイス国内の自殺ほう助による死亡者数は1,774人。EXITの2025年実績は1,421人で、団体単位でも増加傾向が確認されています。
  • 2026年の動向:連邦レベルの法制度をめぐる議論に加え、施設内での利用、死後調査の費用負担、弱い立場にある人の保護が重要な争点になっています。

【最初に整理】スイスでは安楽死と自殺ほう助の何が違う?刑法115条の法的根拠

スイスの制度を理解するうえで最初に押さえたいのは、「安楽死」と「自殺ほう助」を同じものとして扱わないことです。日本のニュースやインターネットでは両者がまとめて「安楽死」と呼ばれることがありますが、法的には重要な違いがあります。

積極的安楽死と自殺ほう助の違い

積極的安楽死とは、医師などの第三者が、本人の死を直接引き起こす行為を行うことです。これに対し、自殺ほう助では第三者が一定の支援をしても、死に至る最後の行為は本人自身が行います。

スイス連邦司法局が2026年3月5日に公表した法制度の解説でも、両者は明確に区別されています。本人の依頼があっても第三者が直接死に至らせる行為は、刑法111条、113条、114条などに基づき処罰され得ます。一方、自殺ほう助は刑法115条の規定を中心に判断されます。

この区別は単なる言葉の問題ではありません。本人が自ら決定し、判断能力を持ち、最後の行為を実行できることが、自殺ほう助を法的に評価するうえで重要な条件になるからです。

スイス刑法115条は何を定めているのか

スイス刑法115条は、利己的な動機から他人に自殺を決意させたり、自殺を手助けしたりした者について、本人が実際に自殺を遂げた場合、または自殺を試みた場合に、5年以下の自由刑または罰金刑を科すと定めています。

つまり、115条は自殺ほう助を無条件に許可する法律ではありません。利己的な動機による教唆・ほう助を処罰する規定であり、一定の条件を満たした行為が処罰されない法的枠組みを形成しています。

この仕組みが成立している背景には、本人の自己決定を尊重する考え方と、第三者による搾取や強制を防ぐ必要性があります。報酬を受け取る団体であっても、費用を徴収しているという事実だけで直ちに違法になるわけではありません。ただし、利己的な動機が認められるかどうかは、具体的な事情に照らして判断されます。

「合法だから誰でも利用できる」は誤解

スイスには、自殺ほう助のすべての条件を一つの連邦法にまとめた独立した包括法が存在するわけではありません。刑法、医薬品の処方に関する規制、医療職の職業倫理、団体の自主基準、州ごとの規則などが関係します。

スイス連邦政府は2011年、組織的な自殺ほう助について刑法に特別な規定を新設する方針を採らず、既存の法制度を維持する判断を示しました。その一方で、自殺予防と緩和ケアの推進も政策上の課題として位置付けています。

したがって、「スイスでは安楽死が合法だから、希望すれば誰でも受けられる」という理解は正確ではありません。法律上の枠組みがあることと、個々の申請が医師や団体の審査を通過することは、別の問題です。

当時のメディア報道・掲載写真
【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:m.media-amazon.com)

【EXITとDignitasの違い】日本人や外国人も利用できるのか

スイスで自殺ほう助に関わる団体として知られるのが、EXITとDignitasです。どちらも会員制の非営利団体ですが、対象者や活動の特徴は異なります。

EXITは主にスイス国内の居住者を対象とする

EXITは1982年に設立された団体で、ドイツ語圏・イタリア語圏のスイス国内で活動しています。自殺ほう助だけでなく、事前指示書の作成支援、病気や老後に関する相談、自殺予防などにも取り組んでいます。

EXITの公式情報によると、2025年末時点の会員数は195,836人です。会費は年間45スイスフラン、終身会員は1,100スイスフランとされています。基本的にスイス国民またはスイス国内の居住者を対象としているため、日本に住む日本人が外国から短期間訪れる場合、EXITをそのまま利用できるわけではありません。

Dignitasは国外居住者も受け入れている

Dignitasは1998年に設立された非営利の会員制団体です。スイス国内の居住者だけでなく、国外に住む人からの相談や申請も扱っている点が大きな特徴です。

そのため、日本に住む日本人であっても、個別審査の対象となる可能性はあります。ただし、日本国籍であることや、スイスへの渡航が可能であることだけで利用が認められるわけではありません。医療資料、本人の意思、判断能力などを踏まえた審査が必要です。

Dignitasの2026年3月公表資料によると、2025年末時点の会員数は15,968人で、2025年に同団体の支援を受けて自殺ほう助を行った人は263人でした。団体への問い合わせや会員登録の件数と、実際に支援が行われた人数は同じではありません。

EXITとDignitasの主な違い

  • 対象者:EXITは主にスイス国民・国内居住者を対象とし、Dignitasは国外居住者からの申請も受け付けています。
  • 会員制度:どちらも会員制ですが、会費や個別の費用体系は異なります。
  • 活動内容:両団体とも自殺ほう助だけでなく、相談や自己決定に関する支援などを行っています。
  • 審査:会員になっただけで自殺ほう助が認められるわけではなく、医師による判断など個別の条件が関係します。

外国人を受け入れる団体はDignitasだけではありません。LifecircleやPegasosなども国外居住者を扱ってきました。ただし、各団体の基準、受け入れ方針、費用、審査の実態は一様ではありません。過去の報道だけを根拠に、現在も同じ条件で利用できると考えるのは避けるべきです。

【日本人の利用条件と費用】申請手続きの流れと総額の実態

日本人がスイスの自殺ほう助制度を調べる際、特に気になるのが、どのような条件が求められるのか、申請にどれほどの費用がかかるのかという点です。ここでは、制度を理解するために必要な基本事項を整理します。

外国人の利用条件は国籍だけでは決まらない

スイスの連邦刑法には、自殺ほう助の対象をスイス国民だけに限定する規定はありません。そのため、外国人が制度の対象になる余地があります。しかし、外国人を受け入れる団体でも、個々の申請について判断能力や意思の自発性などを審査します。

判断に関係する代表的な事項は、次のとおりです。

  • 意思決定能力:本人が自分の状況と決断の意味を理解し、判断できること。
  • 自発的な意思:家族、介護者、医療関係者、経済的利害を持つ第三者などから不当な圧力を受けていないこと。
  • 意思の継続性:一時的な衝動ではなく、本人の意思が十分に検討されたものであること。
  • 医療面の評価:病気や苦痛の状況、治療可能性、医学的資料などが医師によって検討されること。
  • 個別審査への対応:団体や医師が求める資料を提出し、必要な確認を受けること。

具体的な医学的基準や審査の範囲は、団体の規則や医師の判断によって異なります。重い病気があることだけで自動的に認められるわけではなく、反対に、診断名だけで一律に可否が決まるとも限りません。

申請から判断までの一般的な流れ

外国人からの申請では、団体への相談や会員登録、医療資料の確認、医師による評価、本人の意思と判断能力の確認などが行われます。医学的・法的な要件を満たすかどうかが検討され、すべての条件を満たすと判断された場合に限り、その後の対応が検討されます。

この過程では、医療資料の収集や翻訳、医師との面談、行政上の書類、渡航や滞在の手配などが関係する場合があります。複雑な病歴や複数の疾患がある場合には、追加の医学的確認が必要になることもあります。

重要なのは、申請した時点で実施が約束されるわけではないことです。Dignitasの公式料金案内も、準備費用を支払ったことが自殺ほう助の実施を保証するものではないと明示しています。

Dignitasの公式料金は7,500〜11,000スイスフランが目安

Dignitasが公表している費用には、準備に関する会費、医師の診察、支援に伴う経費、葬儀・火葬、死亡後の行政手続きなどが含まれます。

  • 準備に関する特別会費:4,000スイスフラン
  • 医師の診察など:1,000スイスフラン
  • 支援の実施に関する費用:2,500スイスフラン
  • 火葬・葬儀関連:約2,500スイスフラン
  • 死亡後の行政手続き:1,000スイスフラン

公式案内では、葬儀や行政手続きまで団体が対応する場合の合計は通常11,000スイスフラン、これらの手続きが不要な場合は合計7,500スイスフランとされています。金額は付加価値税を含まず、変更される可能性があります。

これに加えて、国際航空券、現地での宿泊、移動、必要に応じた翻訳などの費用が発生します。為替レートや滞在日数によって総額は変わるため、単一の円価格で断定することはできません。

インターネット上では「約200万円で可能」「1,400万円かかる」といった異なる数字が見られます。しかし、こうした数字は、団体の公式料金、渡航費、医療資料の準備、滞在費などの条件が統一されていない限り、単純比較できません。費用を検討する際は、公式料金の対象範囲と追加費用を分けて考える必要があります。

活動歴および当時の関連ビジュアル記録
【検証資料 2】活動歴および当時の関連ビジュアル記録(出典:newsdig.ismcdn.jp)

【最新統計】スイスの自殺ほう助は年間何人?利用者数と実態を検証

スイスの自殺ほう助は、例外的な事例だけではなく、統計上も一定の規模を持つ社会的な現象になっています。ただし、国全体の死亡統計と個別団体の実績は、集計範囲が違うため区別して見る必要があります。

2024年の国内統計は1,774人

スイスの保健医療データを集約するObsanが、連邦統計局の死因統計などに基づいて公表しているデータによると、スイス国内の自殺ほう助による死亡者数は、2022年が1,594人、2023年が1,729人、2024年が1,774人でした。

2024年の1,774人という数字は、スイス国内全体の集計です。EXITやDignitasなど、特定の団体が公表する数字とは異なります。国全体の件数を把握する際には、団体別の実績を単純に合算するのではなく、連邦統計局に基づく集計を参照することが適切です。

利用者の多くは高齢者や重い病気を抱える人

連邦統計局の2023年のデータでは、自殺ほう助による死亡者の約91%が65歳以上でした。背景には、がんや神経変性疾患など、重い病気を抱える人が多いという実態があります。同年の統計では、がんが約33%、神経変性疾患が約11%を占めていました。

EXITの2025年の実績にも、同様の傾向が見られます。SWI swissinfo.chが報じた同団体の年次実績によると、2025年に支援を受けた1,421人の平均年齢は80歳でした。終末期のがんを抱える人が32%、複数の疾患を抱える高齢者などが23%を占めています。

また、EXITの2025年の実績では、約75%が自宅で、約20%が高齢者向け介護施設で亡くなっています。これらはEXITの活動地域と利用者に関する数字であり、スイス国内の全利用者にそのまま当てはめることはできません。

団体別の実績も増加傾向にある

EXITの公表資料では、2024年の自殺ほう助実施件数は1,235人、2025年は1,421人でした。一方、Dignitasの2025年の実績は263人です。対象者や受け入れ条件が異なるため、両団体の件数をそのまま比較して制度全体の優劣を判断することはできません。

数字が増えている背景には、高齢化や重い疾患を抱える人の増加に加え、自己決定に対する社会的な関心、制度を利用できる地域や施設の条件など、複数の要因が考えられます。件数の増加だけで、制度が適切に運用されているかどうかまで判断することはできません。

【国際比較】スイス・オランダ・ベルギー・カナダの制度はどう違う?

自殺ほう助や医師による死の援助を認める国でも、法律の構造や対象者の条件は大きく異なります。スイスの特徴は、包括的な安楽死法によって制度を整備した国とは異なり、刑法115条を中心とした法的枠組みの中で自殺ほう助が行われている点です。

国・地域制度の特徴外国人の利用に関する注意点
スイス刑法115条が利己的な動機による自殺ほう助を処罰。本人が最後の行為を行うことが重要。国外居住者を受け入れる団体が存在する。ただし、個別の医学的・法的審査が必要。
オランダ医師による積極的安楽死と自殺ほう助の双方を、法律上の厳格な要件のもとで認める。法律が外国人を一律に禁止しているわけではないが、医師と患者の関係や継続的な診療などの問題から、非居住者の利用は実務上極めて難しい。
ベルギー医師による安楽死を法律に基づいて認め、苦痛や医学的状況などの要件を設ける。医療機関との関係構築や審査が必要。外国人が容易に利用できる制度ではない。
カナダMAiD(医療による死の援助)として、医療従事者が実施する方式と本人が行う方式を法制度に位置付ける。原則として公的医療サービスの対象者であることなどが必要で、短期滞在の外国人観光客が利用する制度ではない。

スイスが外国人を受け入れられる理由

スイスでは、連邦刑法115条に国籍や居住地を理由とする一律の制限が置かれていないことから、外国人を受け入れる団体が活動しています。ただし、これは外国人に無条件の利用権が与えられているという意味ではありません。医師の評価や本人の判断能力、団体の審査基準などが関係します。

一方、オランダやベルギーでは、医師が患者の状態を継続的に把握し、法定の要件を満たすかどうかを確認する仕組みが中心です。カナダも、医療サービスの利用資格や医学的条件などが制度の入口になります。

したがって、「スイス以外の国では外国人は法律上すべて利用できない」と断定するのも正確ではありません。法律上の禁止、医療制度上の資格要件、実際の医療現場での受け入れの難しさは、それぞれ別の問題です。

公の場での発言・インタビュー報道記録
【検証資料 3】公の場での発言・インタビュー報道記録(出典:産経ニュース)

【2026年最新動向】法改正・サルコ論争・倫理的課題の現在地

2026年のスイスでは、自殺ほう助の法的な位置付けを維持するかどうかだけでなく、実際にどこで支援を受けられるのか、行政の監督や費用をどう扱うのかという具体的な問題が議論されています。

2025年の連邦議会では新たな規制案が否決された

SWI swissinfo.chの報道によると、2025年9月、スイス連邦議会の上院は、自殺ほう助を新たに規制する動議を賛成16、反対22、棄権8で否決しました。一方、利用状況を統計的に把握することを求める動議は賛成24、反対7、棄権3で可決されています。

この議論の背景には、2024年秋に自殺用カプセル「サルコ」が初めて使用されたことを受け、既存の法制度で十分に対応できるのかという問題意識がありました。サルコをめぐる議論では、技術的な新しさだけでなく、医学的な管理、判断能力の確認、責任の所在、行政による検証のあり方が問われています。

2026年10月時点でも、連邦レベルでの法的な基本枠組みは刑法115条を中心としています。ただし、個別の行為が適法かどうかは、具体的な状況と適用される法令によって判断されます。

2026年9月、チューリヒ州で施設内の利用をめぐる法改正が可決

2026年9月27日に行われたチューリヒ州の住民投票では、病院や介護施設に施設内での自殺ほう助を認めることを義務付ける法改正案が、賛成68.1%で可決されました。SWI swissinfo.chの報道によると、精神病院と刑務所は対象外です。

この改正は、本人が自分の住み慣れた場所で最期を迎えることを望む場合に、施設の運営理念や宗教的な立場が利用の障壁となる問題に関係しています。一方で、施設側の信教の自由や運営上の自主性、緩和ケアとの関係などをめぐっては反対意見もありました。

この動きは、スイスの制度が単に「自殺ほう助を認めるか、禁止するか」という二択ではないことを示しています。法的に認められることと、医療・介護の現場で実際に利用できることの間には、なお議論すべき課題があります。

外国人の利用と死後調査の費用負担

2026年2月のSWI swissinfo.chの報道では、ソロトゥルン州で国外居住者の自殺ほう助後の調査費用を抑えるため、団体Pegasosが本人による実行を示す映像などを提供する新たな取り決めが紹介されました。これにより、一定の条件下で、従来の現場での調査に代わる手続きを採用できるようになっています。

同報道によると、死後調査にかかる費用は1件当たり1,000〜2,000スイスフラン程度に抑えられ、費用は団体側が負担する仕組みです。ただし、当局による抜き打ち検査の可能性は残されています。

この問題は、外国人の利用を単純に認めるか否かという話にとどまりません。死亡後の法的調査には公的な費用と人員が必要であり、本人の自己決定、家族のプライバシー、透明性の確保、行政負担の軽減をどう両立させるかが問われています。

倫理的な課題は「本人の意思」だけでは終わらない

スイスの制度をめぐる賛否は、大きく三つの論点に分けられます。

  • 自己決定権:自分の人生の最終段階について、本人の意思をどこまで尊重するべきか。
  • 弱い立場にある人の保護:孤立、貧困、介護負担、治療へのアクセス不足などが、本人の意思に影響していないか。
  • 医療・介護の役割:苦痛を軽減する緩和ケアや社会的支援が十分に提供されているか。

とりわけ重要なのは、本人が自発的に決断したように見える場合でも、その背景に支援不足や周囲への遠慮がないかをどう確かめるかという問題です。自己決定を尊重することと、支援が必要な人を孤立させないことは、対立するだけの価値ではありません。

2025年には、国外居住者を受け入れる団体Pegasosをめぐり、家族への説明や医学的な必要性、審査の十分さに疑問を呈する報道もありました。こうした議論は、法的に可能な行為であっても、運営の透明性や本人の意思を確認する手続きが社会的な信頼を左右することを示しています。

【スイス安楽死制度】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:スイスでは安楽死が全面的に合法化されているのですか?

A1:いいえ。本人に代わって第三者が直接死に至らせる積極的安楽死は、原則として処罰の対象です。一定の条件下で認められるのは、本人が最後の行為を行う自殺ほう助です。刑法115条がその法的枠組みの中心となっています。

Q2:日本人がスイスの自殺ほう助制度を利用することは可能ですか?

A2:国外居住者を受け入れる団体があるため、日本人が申請の対象になる可能性はあります。ただし、国籍だけで利用が認められるわけではありません。判断能力、本人の意思、医療資料などについて個別の審査が必要で、申請が認められる保証もありません。

Q3:スイスで自殺ほう助を受けるには、いくら必要ですか?

A3:Dignitasの公式料金案内では、葬儀や死亡後の行政手続きまで含める場合、通常11,000スイスフランが目安です。条件によっては合計7,500スイスフランとされる場合もあります。渡航費、宿泊費などは別途必要で、為替レートや個別の事情によって総額は変わります。

Q4:EXITとDignitasは何が違うのですか?

A4:EXITは主にスイス国民や国内居住者を対象とする一方、Dignitasは国外居住者からの申請も受け付けています。両団体とも会員制ですが、費用や審査の仕組みは異なります。どちらも会員登録だけで自殺ほう助が認められるわけではありません。

Q5:スイスの自殺ほう助は2026年に全面的な規制強化が行われたのですか?

A5:連邦レベルでは、2025年9月に新たな規制案が否決され、利用状況を統計的に把握する動議が可決されました。一方、2026年9月にはチューリヒ州で病院や介護施設に施設内での自殺ほう助を認めることを義務付ける法改正案が可決されています。連邦レベルと州レベルの動きを区別して理解する必要があります。

まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準

スイス安楽死制度の本質は、安楽死そのものを全面的に合法化した制度ではなく、刑法115条を中心に、一定の条件下で自殺ほう助を処罰対象としない法的枠組みにあります。本人が自ら判断し、最後の行為を行うこと、利己的な動機による支援を認めないことが重要な線引きです。

日本人を含む外国人にも申請の可能性はありますが、利用を希望すれば必ず認められるという制度ではありません。団体ごとの受け入れ条件、医療面の審査、判断能力や本人の意思の確認、費用や渡航に関する負担など、複数の条件が関係します。

また、2024年の国内統計では1,774人が自殺ほう助によって亡くなり、2025年のEXITの実績も増加しました。2026年にはチューリヒ州の施設内利用をめぐる住民投票や、ソロトゥルン州の死後調査の運用など、制度の実際の運用に関わる動きが続いています。

【プロの結論】スイスの制度を正しく理解するためには、「合法か違法か」という一つの問いだけでは不十分です。刑法上の条件、医師や団体による審査、本人の意思を守る仕組み、医療・介護支援の充実、そして社会的な監督のあり方を分けて考える必要があります。

自己決定権を尊重する制度であるからこそ、本人が孤立や経済的な圧力によって選択肢を狭められていないか、十分な緩和ケアや生活支援を受けられているかを検討することが欠かせません。2026年以降も、利用者数の推移だけでなく、本人の意思をどのように確認し、社会的な保護と両立させるかが、スイスの制度を評価するうえで重要な判断基準となります。 (出典: スイス 安楽 死 制度(Yahoo!ニュース))

スイス安楽死制度
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