世界一歯並びが悪い人は実在する?ギネス記録と矯正費用を2026年最新解説
「世界一歯並びが悪い人」は実在するのでしょうか。インターネット上では、極端に歯が重なった人や、上下の歯の噛み合わせが大きくずれた人の写真が話題になることがあります。そこから「世界一歯並びが悪い人」「歯並びが悪い人の世界記録」といった疑問を持つ人も少なくありません。
2026年10月22日時点で、ギネス世界記録の公開情報から確認できるのは、歯並びの悪さを世界一と認定する記録ではなく、歯の本数に関する公式記録です。男性部門ではマレーシアのPrathab Muniandy(プラタブ・ムニアンディ)氏が42本の歯を持つ記録保持者として紹介されています。これは、歯列の乱れを競う記録とは別のものです。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「世界一歯並びが悪い人」を認定するギネス世界記録の公開タイトルは、2026年10月時点で確認できない。
- 要点2:Prathab Muniandy氏の42本は「口の中にある歯の最多記録」であり、歯並びの悪さを示す記録ではない。
- 要点3:重度の叢生や受け口、出っ歯には複数の原因があり、歯列矯正の費用は一般的な目安で80万〜120万円程度、装置による治療は通常2〜3年程度とされる。
【結論】世界一歯並びが悪い人は実在する?ギネス世界記録の真相
まず、質問を2つに分けて考える必要があります。「極端に歯並びが悪い人は実在するのか」と「その人が世界一だと公式に認定されているのか」は、同じ意味ではありません。
重度の不正咬合は実際に存在します。歯が何重にも重なって生えている状態、上下の前歯の位置関係が通常と逆になっている状態、顎の骨格に大きなずれがある状態などは、歯科医療で診断・治療の対象となります。見た目の変化が大きい症例もあり、写真だけを見ると非常に強い印象を受けることがあります。
一方、ギネス世界記録の公開情報を確認した範囲では、「世界一歯並びが悪い人」という名称で個人を認定する公式記録は確認できません。したがって、特定の人物を世界一と断定できる根拠は、公開情報からは得られないのが実情です。
その背景には、歯並びの悪さを単一の数値で評価する難しさがあります。歯の重なりの程度、上下の噛み合わせ、顎の骨格のずれ、噛む機能への影響など、評価すべき要素は複数あります。見た目のインパクトだけで順位を決めることはできません。
つまり、世界一と呼ばれるほど重度の不正咬合を持つ人が実在する可能性と、その人がギネス世界記録の保持者であることは別問題です。2026年最新の情報を調べる際も、この違いを押さえておくことが大切です。

【公式記録を比較】Prathab Muniandy氏の歯の本数は42本
「歯並びが悪い人の世界記録」を調べる際に混同されやすいのが、ギネス世界記録の「口の中にある歯の最多記録」です。
ギネス世界記録の公式ページによると、男性部門の記録保持者はマレーシアのPrathab Muniandy氏です。セランゴール州クランで確認された記録で、42本の萌出した歯が2023年12月28日に検証されています。さらに、歯科医2人による診察では、歯ぐきの中にまだ生えていない歯が2本あることも確認されました。
この記録は2026年3月5日付のギネス世界記録の公式記事でも紹介されています。同記事によると、氏は2021年に自分の歯が通常より多いことに気づき、歯を数えたところ38本ありました。その後、歯科用X線検査で未萌出の歯が確認され、2023年初めには合計42本になったと説明しています。
同記事では、氏の歯の多くはまっすぐに生え、特段の問題なく機能していることも紹介されています。つまり、歯の本数が多いことと、歯並びが悪いことは必ずしも一致しません。
また、同じギネス世界記録の公開情報では、女性部門の最多歯数はインドのKalpana Balan氏が持つ38本です。男女別に記録が設定されている点にも注意が必要です。
主な記録を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 公式情報で確認できる内容 | 歯並びとの関係 |
|---|---|---|
| 男性の最多歯数 | Prathab Muniandy氏、42本。2023年12月28日に検証 | 歯の本数を示す記録であり、歯列の乱れを評価するものではない |
| 未萌出の歯 | 同氏には別途2本の未萌出歯が確認された | 歯ぐきの中にある歯は、42本の萌出歯とは区別される |
| 女性の最多歯数 | Kalpana Balan氏、38本 | 女性部門の最多歯数記録 |
| 世界一歯並びが悪い人 | 2026年10月時点で、該当するギネス公式記録タイトルを確認できない | 最多歯数の記録から歯並びの順位は判断できない |
成人の永久歯は、親知らずを含めて通常32本です。42本という数字は一般的な本数を10本上回りますが、歯が多いこと自体が不正咬合の重症度を表すわけではありません。
なお、ギネス世界記録は記録が更新されても、すべての情報が即時に公開されるとは限らないと案内しています。そのため、公開ページで確認できる記録と、世界中のあらゆる歯科症例の存在を同一視しないことも必要です。
【医学的に解説】重度叢生・反対咬合・上顎前突とは?不正咬合の種類
歯並びや上下の噛み合わせに問題がある状態は、歯科医学では「不正咬合」と呼ばれます。公益社団法人日本矯正歯科学会は、出っ歯、受け口、叢生、開咬などを代表的な症例として紹介しています。
「世界一歯並びが悪い」と検索した人が目にする画像には、異なる種類の不正咬合が混在しています。見た目が似ていても、歯の位置に問題があるのか、顎の骨格に問題があるのかによって、診断や治療方針は変わります。
1.重度叢生(そうせい)
叢生は、歯がきれいに並ぶためのスペースが足りず、歯が重なったり、ねじれたりして生えている状態です。八重歯や乱ぐい歯も、このタイプに含まれます。
重度叢生では、前歯が大きく重なり、歯列が複雑に入り組んで見えることがあります。歯ブラシが届きにくい部分が増えるため、むし歯や歯周病のリスクにも注意が必要です。治療では歯列の幅や顎の大きさ、歯の大きさなどを調べ、スペースを確保する方法を検討します。
2.反対咬合(はんたいこうごう)・受け口
通常は上の前歯が下の前歯より前に位置しますが、反対咬合では下の前歯が上の前歯より前に出ています。一般には「受け口」と呼ばれます。
歯の傾きが主な原因となる場合もあれば、下顎が前に出ている、上顎の成長が不足しているなど、骨格の問題が関係する場合もあります。成長期の子どもと成人では治療の選択肢が異なり、骨格のずれが大きい場合は外科的矯正治療を検討することもあります。
3.上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯
上の前歯が大きく前方に傾いている、あるいは上顎全体が前方に位置している状態です。日常的には「出っ歯」と呼ばれます。
上の歯だけが前に傾いている場合と、上顎と下顎の位置関係に問題がある場合では、治療計画が変わります。唇を自然に閉じにくくなったり、転倒などで前歯を傷つけやすくなったりする場合もあります。
4.開咬(かいこう)
奥歯を噛み合わせても、上下の前歯などが接触せず、隙間ができる状態です。前歯で食べ物を噛み切りにくい、発音しにくいといった問題につながる場合があります。舌を前に押し出す癖などが関係することもあります。
5.過蓋咬合・交叉咬合
過蓋咬合は、噛んだときに上の前歯が下の前歯を深く覆う状態です。交叉咬合は、上下の歯の一部で通常とは逆の噛み合わせになっている状態を指します。いずれも正面からの見た目だけでは程度を判断できず、噛み合わせ全体を診る必要があります。
このように、不正咬合には複数の種類があり、一人の患者に叢生と上顎前突などが同時に存在することもあります。「どの症例が最も悪いか」を写真だけで決めるのは、医学的な評価とは異なります。
【原因を検証】歯並びが悪くなる理由は遺伝だけではない
歯並びが悪くなる理由として、まず挙げられるのが遺伝的要因です。歯の大きさ、顎の大きさ、上顎と下顎の成長のバランスなどには個人差があり、親から受け継いだ特徴が歯列や噛み合わせに影響する場合があります。
ただし、歯並びは遺伝だけで決まるものではありません。日本歯科医師会の解説では、日頃の姿勢、頬づえ、口呼吸、指しゃぶり、むし歯の放置、親知らず、口の周囲の筋肉の不調和なども、歯や顎の発育に影響する要因として挙げられています。
主な原因と、歯列に影響する仕組みを整理します。
顎と歯の大きさの不調和:歯が並ぶスペースに対して歯が大きいと、歯が重なりやすくなります。反対に、顎の成長バランスによっては、歯が前方に傾いたり、上下の噛み合わせがずれたりすることもあります。
口呼吸や口周囲の癖:口を開けた状態が続くことや、舌の位置・動かし方に問題があることは、歯列や顎の成長に影響する場合があります。指しゃぶりや舌を前に突き出す癖も、状態によっては開咬や上顎前突などに関係します。
むし歯や歯の喪失:乳歯を早期に失ったり、むし歯を放置したりすると、永久歯が生える位置や周囲の歯の移動に影響することがあります。親知らずについても、位置や生え方によっては個別の診察が必要です。
成長や加齢に伴う変化:顎の成長の方向や量には個人差があります。また、成人でも歯周病などで歯を支える組織が弱くなると、歯が移動して歯並びが変化する場合があります。
重要なのは、これらの要因がすべての人に同じように作用するわけではないという点です。例えば、口呼吸がある人全員に重度の不正咬合が起きるわけではなく、特定の癖があれば必ず歯並びが悪くなると断定することもできません。
歯並びの変化が気になる場合は、生活習慣だけを原因と決めつけず、歯と顎の状態を矯正歯科で確認することが適切です。
【治療の選択肢】歯列矯正の費用と治療期間はどのくらい?
重度の不正咬合であっても、治療できるかどうかは症例によって異なります。歯の位置を移動させれば改善できるのか、顎の骨格そのものに対する治療が必要なのかを診断したうえで、治療方法を選びます。
ワイヤー矯正:歯にブラケットを取り付け、ワイヤーの力を利用して歯を移動させる方法です。幅広い症例で用いられ、歯の細かな位置調整を行います。装置が目立ちやすい点や、装着中の痛み・違和感、歯磨きの難しさなどが注意点です。
マウスピース型矯正装置:透明な装置を段階的に交換しながら歯を動かす方法です。装置が目立ちにくく、取り外して食事や歯磨きができる利点があります。一方、装着時間を守る必要があり、重度の叢生や骨格の問題を含むすべての症例に適しているわけではありません。
舌側矯正:歯の裏側に装置を取り付ける方法です。正面から装置が見えにくい反面、発音への影響や舌の違和感が生じることがあり、費用も治療方法や医療機関によって異なります。
外科的矯正治療:顎の骨格のずれが大きい場合には、矯正装置による歯の移動と顎の手術を組み合わせる方法が検討されます。歯並びだけを整えても噛み合わせの改善が難しい症例で選択されることがあります。
費用と治療期間について、公益社団法人日本矯正歯科学会は一般的な目安を示しています。
- 費用:精密な矯正装置を用いた治療では、初診から治療後の保定期間の通院まで含めて80万〜120万円程度が一般的な目安です。
- 治療期間:通常の不正咬合では、矯正装置を装着する期間が2〜3年程度とされています。比較的簡単な症例では半年程度で改善する場合もあります。
- 追加費用:難しい症例や治療期間が長い症例では、費用がさらに増えることがあります。検査料、調整料、保定装置料などが総額に含まれるかどうかも確認が必要です。
これらは一律の料金表ではなく、医療機関や地域、症例の難易度、装置の種類などによって変わります。また、一般的な矯正治療は原則として健康保険の適用外です。ただし、厚生労働大臣が定める疾患に起因する咬合異常、一定の条件を満たす永久歯の萌出不全に起因する咬合異常、顎変形症で手術を必要とする場合など、保険診療の対象となるケースもあります。
治療を検討する際は、見積もりの金額だけでなく、診断内容、使用する装置、想定される治療期間、抜歯の必要性、治療後の保定、追加料金の条件まで確認することが大切です。

【プロの結論】「世界一」の画像より、歯列の機能と診断内容を見る
「世界一歯並びが悪い人」という検索語は、珍しい症例への好奇心から生まれるものです。しかし、歯並びを正しく理解するには、見た目の強烈さと医学的な重症度を分けて考える必要があります。
例えば、歯が複雑に重なっている重度叢生は視覚的に目立ちます。一方、外見からは分かりにくくても、顎の骨格のずれが大きく、噛む機能に支障をきたしている症例もあります。写真だけで、どちらがより重症なのかを比較することはできません。
歯並びの情報を調べるときは、次の3点を判断基準にすると、誤解を避けやすくなります。
第一に、記録の名称を確認すること。ギネス世界記録の「最多歯数」は、歯の本数を数えた記録です。「世界一歯並びが悪い人」という非公式な呼び方と混同してはいけません。記録の名称、認定対象、検証日を確認することが基本です。
第二に、画像の見た目だけで診断しないこと。写真には撮影角度や口の開き方による違いがあります。歯の重なり、顎の位置、噛み合わせ、歯周組織の状態などを総合的に調べなければ、症例の重症度は判断できません。
第三に、治療の必要性を見た目だけで決めないこと。歯並びに多少の乱れがあっても、治療の必要性は噛む機能、清掃のしやすさ、歯や歯周組織への負担、本人の希望などを踏まえて判断します。反対に、日常生活で不自由を感じていなくても、専門的な診察が役立つ場合があります。
公益社団法人日本矯正歯科学会が示すように、矯正歯科治療の目的は、単に歯を整えて見た目を変えることではありません。歯と顎の位置関係を改善し、噛み合わせや口腔機能を健全な状態に近づけることも重要な目的です。
「世界一」という順位を探すよりも、どのような不正咬合なのか、何が原因なのか、治療によってどのような改善が期待できるのかに目を向けるほうが、実際の歯科医療を理解するうえで有益です。
【世界一歯並びが悪い人】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:世界一歯並びが悪い人は実在しますか?
A1:重度の不正咬合を持つ人は実在します。ただし、2026年10月22日時点で、ギネス世界記録の公開情報から「世界一歯並びが悪い人」として認定された人物は確認できません。特定の人物を世界一と断定するには、公式な記録や明確な評価基準が必要です。
Q2:ギネス世界記録で歯の本数が世界一の人は誰ですか?
A2:男性部門では、マレーシアのPrathab Muniandy氏が42本の萌出した歯を持つ記録保持者として紹介されています。記録は2023年12月28日に検証され、2026年3月のギネス公式記事でも取り上げられています。女性部門では、インドのKalpana Balan氏が38本の記録を持っています。
Q3:歯が42本あると、歯並びも悪くなるのですか?
A3:必ずしもそうではありません。歯の本数が多いことと、歯列が乱れていることは別の問題です。余分な歯がほかの歯の萌出や位置に影響する場合はありますが、実際の歯並びや噛み合わせは個々の症例によって異なります。
Q4:重度の叢生や受け口でも矯正できますか?
A4:治療できるケースはあります。ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置などの適応を検討し、顎の骨格のずれが大きい場合には外科的矯正治療が必要になることもあります。治療方法は歯並びだけでなく、顎の骨格、歯周組織、年齢などを踏まえて判断します。
Q5:歯列矯正にはいくらかかり、何年くらい必要ですか?
A5:日本矯正歯科学会が示す一般的な目安では、初診から保定期間の通院まで含めて80万〜120万円程度、通常の不正咬合では装置による治療に2〜3年程度かかります。症例や医療機関によって差があり、難しい症例では費用や期間がさらに増えることがあります。事前に総額と治療計画を確認してください。
まとめ:2026年最新の歯並び世界記録と、正しい判断基準
2026年10月時点で確認できるギネス世界記録の情報では、「世界一歯並びが悪い人」という公式タイトルは見当たりません。一方、歯の本数については、男性部門でPrathab Muniandy氏の42本、女性部門でKalpana Balan氏の38本という記録が公開されています。
42本という数字は、歯の多さを示すものであり、歯並びの悪さを示すものではありません。重度叢生、反対咬合、上顎前突などの不正咬合は、それぞれ原因や治療方法が異なります。遺伝的要因だけでなく、顎の成長、口周囲の癖、むし歯や歯周組織の状態なども関係します。
歯並びが気になる人にとって大切なのは、インターネット上の「世界一」という表現にとらわれず、自分の歯と顎の状態を正確に知ることです。費用や治療期間を比較する際も、広告の料金だけで判断せず、診断の内容、治療の選択肢、保定期間まで含めて検討しましょう。
公式記録として確認できる事実と、医学的に診断される不正咬合を区別すること。それが、「世界一歯並びが悪い人」という疑問を正しく理解し、歯の健康について判断するための出発点です。 (出典: 世界 一 歯並び が 悪い 人(Yahoo!ニュース))